オレンジジュースをフリーズドライ化したらこんな風に

市販の100%オレンジジュースを凍結乾燥してみました。真ん中の凹みの箇所は、温度プローブを差し込んでいた穴です。フリーズドライは通常、糖分が20%を超えると乾燥できないと言われています。しかしながら、乾燥していくと水分が徐々になくなるので、乾燥途中の試料はどんどん糖濃度は上がっていきます。その乾燥途中の試料に目を向けると、最初は10%だった糖濃度も、途中では20−30%と徐々に上がっていきます。そうなると糖分は飴状になっていきます。凍結乾燥は氷の結晶が昇華して飛んでしまう第1段階の乾燥段階では、後に残ったものはヌガー状の柔らかいスポンジ状に留まります。カリカリのフリーズドライにするには、そこから第2段階目の真空凍結乾燥工程が必要となります。これは単純に、明らかな氷がなくなったら、自ずと第2段階に乾燥が移行します。それだけのことで、なんの追加措置も必要なりません。糖分が多い試料はこの第2段階目の乾燥工程により、ようやくカリカリになっていきます。ここは結構時間がかかります。氷がなくなった試料を40〜50℃にした状態で乾燥を続けます。

温風を利用した食品乾燥機では、この第2段階目ができません。真空凍結乾燥では時間はかかりますが、焼き芋でもなんでも、ガチガチの飴状にすることができます。焼き芋では、第1段階が終わった時点ではゴム状のものが出来上がります。これは天日干しや温風乾燥で乾燥した時の同じような感じです。新鮮な果物は温風乾燥ではどうしても生とは違ったものができますが、真空凍結乾燥法では、フルーツや野菜など、新鮮な香りのまま乾燥できるので、別世界です。

話は戻り、オレンジジュースですが、第1段階の乾燥が終わったところでは柔らかいスポンジのような状態です。そこから第2段階の乾燥工程に移行すると、スポンジの目が荒くなった感じに少々変化します。少し柔らかいスポンジ状の乾燥物を加温すると、こんな感じに移行します。もし、乾燥棚の温度設定を上げずに20℃以下で乾燥すると、きめ細かいスポンジ状のカリカリ乾燥体ができますが、乾燥には時間がかかりメリットもないため、加温して、なるべく乾燥時間を短くします。

ご参考になれば幸いです。

凍結乾燥機(フリーズドライ装置)にはこんな製品があります。

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